従業員の評価を5段階にしていませんか?~日本人の気質による落とし穴

みなさんの組織には既に評価制度が備わっていますでしょうか?従業員を一人でも雇えばその人の生活を預かる雇用者としてきちんと従業員を評価して働くモチベーションを高めていかないと組織全体(たとえ2,3名だったとしても)の成長は望めません。

 

これまで日本企業での人事評価制度は5段階(S,A,B,C,D)とか(1,2,3,4,5)で評価されるケースが多く一般的でした。これは学校の成績表などにも表れているかと思います。

 

普段共に働く仲間に評価を下す際、よほどの出来事がない限り最高評価Sや最低評価Dは”つけ辛い”と感じてしまいます。そうなると実質的にA-B-Cの三段階評価になってしまうのですが、どうしても評価としてはどちらでもない真ん中の「B」を選びがちです。

 

こうなるとほとんどの人が真ん中評価であるBになってしまい評価の意味合いが薄れてしまうと同時に評価されている方も形だけの評価制度だと思われてしまい実際の労働上で効果を出せないだけでなく単なる作業としての評価の時間になってしまいます。

 

評価制度が機能していないということは一生懸命組織のためにアイデアを出したり工夫をして仕事をしても何もない一日を過ごしても変わらない。それなら楽な一日を過ごしていられれば良いという社員が増えるのも仕方がありません。

 

利益率が高い医療業界ですので正直なところこのような社員の集まりでも儲けが出てやっていけているところはたくさんあります。会社の方針として別にそれで問題がないと判断するのであればそれは経営者の一つの考えかも知れません。

 

しかし、今後診療報酬改定を繰り返し人口が減少していく日本で長く同じ組織で働き十分に理解をしてもらっている従業員の生産性を上げることはほぼ必須になってくるのではないでしょうか?

 

仕事上の頑張りが給料に反映されない組織では経営者からの指示も通じにくくなります。それは働いている側の気持ちを考えれば当然の事と思います。

 

ゼッタイ評価®では4段階評価をオススメしています。上記で説明した『B評価=普通』をなくし良いのか悪いのか?をはっきりさせる。もちろん良いか悪いかの評価は公正でなければなりません。感情で評価しているうちは正当な評価とは言えないからです。

 

人材を評価するということは従業員のモチベーションに直接影響する事なので慎重に行う必要があります。単に逆ギレされたらどうしよう?といったような神経質になるという意味ではありません。きちんとルールを説明し、経営者が組織をどのようにしていきたいのか?説明、理解してもらいそのために皆さんにはどういう仕事をしてもらいたい!ということを伝えることから始めなければいけません。

 

この仕組みがしっかりと機能しはじめると従業員同士が自律して働きはじめ仕事上の作業の無駄、動線の見直し、在庫管理の見直し、診療報酬・調剤報酬への興味と理解が増すことにより生産効率の高い運営が望めるのです。

 

人事評価制度というのは魔法ではないので導入して明日から効果が出ることはありません。まずは評価制度のプロとともに制度運用を並走し自らの組織で自走し始めたころ投資に対して大きなリターンが期待できるのです。制度という仕組みそのものは一度導入したら組織がつぶれない限りずっと使い続けることができるので償却期間=組織存続期間となるのです。