組織のカラーを決める人材採用
あなたのお店(クリニック・薬局)に患者はどのような印象をもつか?
周辺住民はあそこに内科がある、怪我をしたらあそこの整形外科になどと、おおまかに場所を認識しています。また、薬局を含めなんとなく建物や看板のデザインから何色といった印象を持っているものです。あそこの赤い薬局ね!といった具合に。
同じようにクリニックや薬局に入った時、患者さんは思い思いの印象を持つようになります。例えばクリニックではどんなに有名なドクターが開業していても患者がはじめに接触する受付の印象が悪ければすぐさま口コミで悪い評価が書かれてしまいます。そのような内部の雰囲気が悪い職場環境(俗に負のオーラなんて言われたりします)は全体的な雰囲気として患者に伝わってしまうし、スタッフも定着することなく簡単に辞めていきます。クリニックでも薬局でも比較的小さなコミュニティーで仕事をしていかなければならないので人間関係の問題は起きやすいのかも知れません。
クリニックや薬局という職場の特徴
クリニックや薬局の経営は専門職の集まりでもありどこの組織に所属していても業務はほぼ似通っているため箱を作って人材を入れておけば運営が出来るように思えます。しかし、ただやみくもに人を採用し箱に入れて放ったらかしておけばこの小さなコミュニティー内で問題が発生し離職が進むのは当然の事です。
働く社員にとっても経営者にとっても“誰と働くか?”は最大の関心ごとでなくてはなりません。一緒に働く仲間と売り上げを上げていかなければ従業員の給料も上げられない。そのために会社は組織としてのカラーをもち、会社と同じカラーの求職者を採用する、もしくは採用したスタッフを自社のカラーに育てていかなければいけません。
弊社は自社のカラーにあった人材を採用したい!という経営者さん、御社のカラーを明確に答えられますか?
*余談ですが、見栄を張って”うちは自社のカラーにあった人材以外は採用しないっ!”と公言した社長に対し従業員の間で”自社のカラーって何色なんだよ”と皮肉交じりの会話が起きたという話があります。この話の通り、やはり実質が伴っていなければ意味がないという良い例です。社内で従業員に向かって発言する際は正直に、素直に物事を考え行わないと返って信用を失ったり反発をくらったりしますので注意が必要です。
組織のカラーとは?
では、そのカラーとは何ぞや!?それは経営者が求める将来の会社の姿です。この組織はどこに向かっているのか?そのためにどういったことをしていかなければならないのか?それゆえ皆さんにどのような働き方をしてもらいたいのか?これが会社のカラーです。皆さんの組織にはこれらの質問に対しての明確な答えがありますか?そしてその答えは従業員に浸透していますか?
大きくは会社のビジョンであり客観的に説明するのに必要な事業計画としても良いでしょう。ただ、事業計画書は対外的に内部事情を把握してもらうための資料という性質があり、そこまで堅苦しいものである必要はなく、会社としてもしくは経営者自身がどのようにしていきたいのかという軸を作っておくだけでも十分です。
自社にカラーという名の軸がなければ何を基準に人材を採用したらよいかわかりません。ものさしがなければ長さが測れないのと同じです。自社が求めるカラーを決め、採用前に方向性の相違がないか?確認する。入社後は人材評価制度によって自社が求めるカラーに沿うように育成していく。育成して求める働きをしてもらった結果、組織内での生産性が上がり⇒利益が増大し⇒社員へ昇給・賞与という形で還元できるわけです。
軸が決まり、その軸に沿って働くスタッフたちの間には結束力が生まれ、それがそのお店のカラーとなって患者に伝わります。
採用時に必要な組織カラーの共通認識
このように社内としては向かうべき方向性を決める軸づくりになり、対外的にはクリニックの印象、薬局の印象といった具合に患者へ与えるメッセージとなります。そしてこれらを作っていくのはもちろん働いている従業員。採用する際に同じ方向性を持っているか?もしくは自社の軸に共感してもらえるか?を判断基準に採用を行わないと効率的な経営ができません。人によっては反発をしたり最悪離職に繋がってしまうため面接の時点でこれらのリスクを減らすためにも組織カラーの共通認識は必要です。