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調剤薬局における人事評価制度の必要性

小さな規模でも大きな効果

日本における調剤薬局のシェアは大手の上位10社をあわせても20%未満という低寡占市場であることが特徴です。つまり残りの80%近くが中小規模、個人店で営まれています。このような小さな規模にでも人事評価制度が大きな効果を表すことについてはほかの記事でもお伝えしていますのでご参照ください。人事評価制度は大きな会社が作るもの!?

1店舗~3店舗程度の小さな規模であればしっかりとしたリーダーがいればある程度はカバーできる部分がありますが、やはり制度として従業員をしっかりと評価し、次の目標へと導いていくシステムが存在することは会社にとって経営の効率化、従業員にとっては大きな安心となるでしょう。

調剤薬局への人事評価制度

調剤薬局という職場は、その多くが小さなコミュニティーであるがゆえ人間関係のトラブルが発生しやすい環境であると考えられます。また、保険診療ということからもある程度決まった形での収益の上げ方となるため会社としてのルールや方針が決まっておらず現場任せでもなんとかなってしまっている店舗が多々あります。

もちろんその現場の従業員たちがやる気を持って細かいところまでしっかりとやってくれるのであれば問題ないのですが、どれだけ頑張っても同じお給料という場合にモチベーションを維持することが困難になるケースがあります。

来局する人数がある程度決まっている場合、基本的な点数(調剤基本料や薬学管理料)については処方せん内容次第でありあまり左右されません。収益に差が出る部分としては”加算”をどのようにとっていくか?です。

加算をとるためにはそれなりに必要な作業が発生します。特定薬剤管理指導加算や乳幼児加算では薬歴・投薬ともに加算を採らない場合に比べて多くの手間がかかるわけです。また、後発品加算や集中率の改善に関しては少し長期的な計画と地道な活動でもって獲得していく努力が必要になってきます。

これらの作業をどのように売り上げの計画に入れていくのか?を考え現場に指示を出すのは経営陣の仕事です。
ただやっといて!という指示だけでは現場から「頑張りましたけどムリでした~」という返事がくるだけです(もちろんきちんとやっている現場もあるとは思いますがここでは人事評価制度の必要性を説明するための例としてのお話です)

調剤薬局に適した評価制度

調剤薬局に人事評価制度を導入した際にはこの辺りの加算算定を評価基準に入れていく事が想定されます。調剤報酬は改定により変化するため、改定の都度それに合わせて会社が従業員に対してどのように行動していってもらいたいのか?を伝えるツールにもなります。会社の体制、主に受けているクリニックの科目など様々な要因によって薬局ごとに評価目標も変わるはずです。

それゆえ大規模な会社で使われることが多い”相対評価”よりも働いている個々人がそれぞれに目標を立てそれに向かって働いていく”絶対評価”のほうが調剤薬局の評価制度としては都合が良いのです!

ゼッタイ!評価®では調剤報酬改定以外のタイミングであっても柔軟に評価目標を変える事ができ薬局ごとに設定した期間内で評価を進めていく事が出来ます。(絶対評価と相対評価についてはこちら⇒人事評価制度について

今後の日本の医療として在宅医療を含めた”かかりつけ”機能が重要視されていることはご存じの通りです。このかかりつけ機能というのは常に人が入れ替わっている店舗ではかないません。従業員である薬剤師が末永く同じ店舗で活躍する必要があるのです。そのために日々のモチベーションを維持しお給料に反映させ離職に繋がらないようにする仕組みを経営陣は準備する必要があるのではないでしょうか?

せっかくとれた地域体制加算、かかりつけ薬剤師指導料が転職によってあっさりとなくなってしまいます。点数のみならず店舗になれた人材がいなくなることは患者や門前ドクターへの信頼を失う事になり、さらには採用活動にお金がかかります、入社後のオリエンテーション、オペレーションに慣れるまで周りのスタッフにも負担がかかります。

調剤薬局の組織としてその骨組みに人材育成を含めた人事評価制度を導入することは組織にルールを持たせ、会社が望む目標にそれぞれが自律的に働き、結果として生産性が上がり収益を増すことになります。そしてこの仕組みは一度いれて組織になじめば継続的に使えるわけです。

会社の骨組みとして人事評価制度を導入したことにより従業員が自ら後発品の使用率を上げる努力をし、必要な加算について店舗内で話し合いをして作戦をたて適切な対応をし、他院の処方せんを持参するように促すようになったら素敵だと思いませんか?

それだけの仕事をしてくれた従業員にはその努力を評価してあげるべきです。そうでなければ売り上げを上げた経験値だけもって別の薬局へとキャリアアップと称して離職してしまうのです。