経営者に求められる能力~従業員からの信頼を損ねない方法

一言で経営者の能力といっても詳細は多岐にわたります。数字管理、営業能力、コミュニケーション能力etc…

日頃から一緒に働く従業員たちとの交流は良好でしょうか?問題なく仲良くやってるよ~!!という方は今回の記事は読み飛ばしていただいて良いかも知れません。

一見、表面上は何の問題もなくやっているようだけれど、どうも意としていることが伝わっていない気がする、自分が思っている通りに動いてくれず結果が出ない。こういった状況であれば従業員からの信頼が得られていない可能性があります。

さらにひどいと社長の話は無視!どうせ言うことが変わる!言っても聞いてくれない!という状態であればその経営者は信用すらされていません。

ところで、今の話に出てきた「信頼」と「信用」の違いについて詳しく説明できますか?なんとなく使い分けていますがせっかくなので解説します。

 

信頼とは・・・文字から見ると信じて頼りにする事⇒信用に基づいて未来に対し期待すること。信頼関係とは相手とのこれまでの信用の継続で築かれた関係。既に信用がある人に対して未来に向けて頼りにしたいという期待があるとき信頼関係があると言える。英語だとTrust。

信用とは・・・過去の実績・業績から大丈夫であると信じること。初対面の人を信用するという表現はおかしい。英語だとcredit。クレジットカードは過去の実績を信じて代金の支払いを行う。

信用すらされていない経営者はまず、日々の言動で実績を積み上げてからでないと信頼関係には至ることが出来ません。発言がその場しのぎで毎回違うことを言っていたり、時間を守らなかったり、従業員からの意見への返事を忘れたりと一つ一つの小さな言動が信用に繋がっています。まるでポイントカードにハンコを押されているような気分ですね!

信用されるためには上記のような小さなことの積み重ねが必要です。しかしどんな経営者であっても一人の人間、誰しも完璧な人なんていません。時にはどのように判断したらよいのかわからない事だって出てきます。それも1回や2回じゃなくしょっちゅう出くわします。そんなときに頑張って正解を得よう、間違ったことを言ってはいけない、私は経営者だからとなるとプレッシャーも相まって余計に悪い方向へ行ってしまいがちです。

経営者として(リーダーでも同じ)大切なのはどのような環境においても常に柔軟な対応力をもって接していく事です。それは従業員に対してもですし、起きているトラブルに対してもです。柔軟に対応するとはどういう事でしょうか?これを考えるに逆の事象を例にするとわかりやすいです。

 

みなさん、ACジャパンの広告を覚えていますでしょうか?

セトモノとセトモノと
ぶつかりっこするとすぐこわれちゃう

どっちかやわらかければだいじょうぶ

やわらかいこころをもちましょう

そういうわたしはいつもセトモノ

片方が意地を張って、見栄を張ってかたくなに考えを曲げない、私は経営者として・・・私はリーダーとして・・・年齢的にも・・・経験者として・・・

全ての例がACの広告で言う「セトモノ」にあたりませんか?

そうです、柔軟な対応力で接するためには余計なプライドを捨て今起きている現状に注力し素直に受け入れる事が必要なんです。

事業を経営していると業者を含めた周りの人たちからとても良くしてもらえます。時には社長~~社長~~といって媚を売るかのようにセールスしてくる場合もあります。そして鶴の一声でみんなが動いてくれてまるで自分が王様になったかのように錯覚します。このような状態が続いていくうちに私は(立派な)経営者だと自分自身が騙されていくのです。

 

そして無価値なプライドで固められると現状がわからない時、判断に間違った時素直に謝れなくなり他人に聞くことすら恥ずかしいと思う。過去の経験が頭から抜けないので意識が未来に向かっておらず、その結果目先の判断を誤ってしまうのです。

 

この状態を従業員は見ています。口には出しませんが感じています。当然信用してもらえるはずがありません。

 

本人にとっても現状起きている変化に対して新しく成長するチャンスに気づくことが出来ず成長への一歩を逃しているのです。

 

経営者は孤独です。いち早くこのつまづいている状況を自分自身で気づき変えていく事をしなければ誰も教えてはくれません。自分が成長しなければ組織を大きく成長させることも難しくなります。組織を大きくしてからでは問題が解決しづらくなくなります。そういった意味で経営者は常に勉強が必要です。

素直に・柔軟に・誠意をもってものごとに向かっていれば自然と信用はついてきます。判断に迷った時は経験ある部下から教わったって良いのではないでしょうか?自分が足りていなければ頭を下げたって恥ずかしくもなんともないです。従業員を雇い入れ共に事業活動をしていくうえで人間同士の心のつながりはどうなっているのか?常に頭に入れておく必要があります。