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ピグマリオン効果~従業員育成に役立つ心理効果

みなさん聞いた事ありますか?ピグマリオン効果。

ピグマリオン効果とは
他者からの期待によって成績が向上する現象

教育心理学の用語でテストを受ける小学生に担任の先生が成績が伸びることを期待し、信じていたことによって実際に子どもたちの成績が上がったという実験結果が元になっています。他社から期待をされると人はそれに応えよう努力をする心の働きです。

コーヒーブレイク♪~ピグマリオン効果の由来~

ピグマリオンとはキプロス島の王様の名前(ギリシャ神話)。現実の女性に失望していたピグマリオンはある時自らが理想とする女性を彫刻しました。その像を見ているうちに恋をするようになりその像が人間になることを願い衰弱するまで離れなくなりました。それを見かねた神様が像に命を吹き込みピグマリオンはめでたくこの女性と結婚できたという話。

素敵な話ですね!

この他人からの期待によって成績が向上する現象を現場の教育にあてはめると同じように仕事の効率が上がります。これを読んでいる皆さんのなかにも上司から責任ある仕事を振られた時、なんとかやってやろう!と思った経験はありませんか?

上司が部下を信頼し、できることを期待し続ける←ここ大事!、ことによって仕事のモチベーションが上がり上司の期待に応えようとし、自ら考え行動するようになります。自ら考えて行動する努力をすることにより個々人の能力が自然と高まっていき仕事内容へと反映されていくのです。

 

ただし!上司がかける期待には”良い期待”と”悪い期待”があります。後者の悪い期待をかけたことによりピグマリオン効果の実験は再現性がないという批判もあります。上司がピグマリオン効果を意識的に利用する場合は良い期待をかけていかなければなりません。では良い期待と悪い期待はどういった違いがあるのでしょうか?

良い期待
肯定的、具体的、受け入れ可能な範囲の目標、心から期待する

悪い期待
怒り・愚痴(否定)により修正を促す、頑張れ!など目標地点があいまい、絶対!必ずできる!など過度な期待、上っ面な期待(上司側の利益が見て取れる)

基本は上司が部下の行動に対して関心をもち部下の行動を肯定的とらえながら要所要所で褒める(おだてるのではない!)具体的な目標と達成までのプロセスを一緒に理解しうまくできなかった部分はフィードバックを与えて改善につなげる。この一連の行動がピグマリオン効果そのものだと思います。

例)良く忘れちゃう人がいたとします。発注忘れ、電話折り返しの伝え忘れ、報告忘れなどなど…(耳が痛いっ)

悪い例⇒「なんで忘れるんだ!」「何度言っても忘れるな」「忘れないように気を付けて!」「絶対忘れるなよ!」「あなたのために言ってるんだよ」全て部下への期待ではありますが、感情的であいまい・上司の利益が垣間見られる言葉遣いです。

良い例⇒「忘れる頻度が減る事を期待するよ!」「忘れないためのアイデアを出して1か月やってみない?」「常に報告があると安心するよ!」

 

ひとことに「期待する」と言っても細かな事にダメ出しをして自分の都合が良い人に育て上げる意味合いが出てしまうと全く逆効果です。良い期待をするためには思い切って部下を信じ裁量を与えることです。他の記事でも書きましたが部下を信じて仕事を与えるためには「仕事内容を管理して部下を管理しない」必要があります。

管理者は部下を管理してはいけない!?

そして仕事を与える時は目標である着地点をしっかり伝えましょう。そうでないと思いもよらない方向に頑張ってしまい努力が無駄になってしまう可能性があるからです。場合によっては欲しい結果とそれに向かうための注意点など先輩としてのアドバイスを与え目標を立てます。この時もきちんと言葉であなたならこの目標を達成できると伝えサポートしていく必要があります。

 

目標達成までの過程ではところどころで褒めることでモチベーション維持に役立ちます。過剰な期待をかけずに現状できていることを肯定的に認め、方向がズレている場合は一緒に確認して軌道修正してあげましょう。

 

目標が達成された際にはきちんとその行動を認め褒め、評価してあげます。もちろん評価とは金銭的な増加だけではありません。これまでの流れを読んで上司と部下のコミュニケーションが非常に大切であることがわかると思います。

 

組織を運営するにあたり従業員を放ったらかしにすることが何よりいけません。働く場所だけ用意して後はご自由にとなればまとまるものもまとまらないのは容易に想像できると思います。人はそれぞれ異なる価値観を持っているので一緒に働いて同じ方向に進むためには価値観(会社で言えば理念)を統一して浸透させなければいけないのです。