目に見えない資産を育てよう!
コロナウィルスは世界中に大きな影響を与えました。本来ウィルスや細菌に対する感染症を診断し治療の手を差し伸べるはずの医療機関も急を要しない手術や検査を先延ばしにしたり慢性疾患への薬物治療は定期的な診断期間を延ばしたりするなどで受診機会が減少し、科目によっては収益が激減するような状況に追い込まれています。
以前から過疎地域では計画のあったオンライン診療も今回の出来事によって事例が増えたことで様々なメリット・デメリットがわかったことで急速に普及に向けて整備されることでしょう。
こうなるとクリニックとしては診療圏が広がる可能性があり、薬局への患者層も門前・周辺クリニック以外からも来局する可能性があります。こうなると注意したいのは周辺競合とのパイの重複です。とりあえず近所だから・・・あちこち行くのは面倒だから隣の薬局で・・・といった患者層の動きに変化が出る可能性があります。
現在日本の人口は減少傾向であることは皆さんご承知の事と思います。長期では2004年にピークを迎えた後は減少の一途をたどっている状況です。


総務省統計局:人口推移より
この状況の中で患者さんに選んでもらえる医療機関を目指す努力が必要な事は明確です。
ではどんな努力をしなければいけないのでしょうか?それは患者さんとの信頼関係を築くことです。
一般的なビジネスでももちろんですが、医療サービスを提供しその対価としての診療報酬・調剤報酬を得るというビジネスにおいても信頼関係を得て選ばれて頼ってもらえる存在になる努力が必要になってきます。
例えば受付にて仏頂面で流れ作業のように扱われるのと笑顔で向かい入れてもらえるのとでは当然後者を選びたくなります。一般の商品販売ビジネスと医療を全く同一視してはいけませんが、商品販売で言う所の「あの人から買いたい!」という気持ちは医療においても根底に必要な考えだと思います。クリニックであれば「あのクリニックで診てもらいたい、あの先生に診てもらいたい!」ですし、薬局であれば「あの薬局、薬剤師からもらいたい!」になるのです。
この信頼関係ですが、当然施設と患者との間で必要になってくるのですが、施設への信頼というのは施設で働く人たち全員で作られます。働いている仲間がみんなお互いに信頼しあって仲良くしている関係は職場の雰囲気として患者に伝わります。人と人とが仲良くしている光景を見るのは誰にとっても気持ちが良いものです。
職場はお互いが尊重しあって信頼しあいながら働いている状態を作っておくこと、これが見えない資産になります。信頼関係はすぐにはできません。半年、1年後を見据えて作り上げていきましょう!