ブレインストーミング-コミュニケーション機会と問題解決へのアイデア
ブレインストーミングの意味
ブレインストーミングとは数人でアイデアを出し合って何かしらの問題解決に向けて”アイデアを出す”ための手法です。日本語では集団発想法(なんかちょっとカッコ悪い(苦笑))と呼ばれることからもわかる通り数人で発想を生み出す方法です。少しネガティブな印象もある表現かも知れませんが日本では昔から”三人寄れば文殊の知恵”という言葉があるようにみんなで寄って素晴らしい知恵を生み出す手法が体系化されたのではないでしょうか。
ブレインストーミングを行う意味として何かしらの問題があり、その解決方法のアイデアを生み出すために行うのですが、副次的な意味として一緒にブレインストーミングを行うことによってお互いの理解・コミュニケーションをはかる機会ともなり、組織の良好な関係構築にも役立ちます。一人で考え込むより会話をしていた方が脳も活性化し良いアイデアを生み出す可能性があります。
ブレインストーミングを行う目的はアイデアを出す事であって会議や打ち合わせではありません。みんなで楽しみながら意見を出し合うことに意味があるので開催する事自体が組織にとって有益なのではないでしょうか?
ブレインストーミングをやる前に【準備】
目的を決める:ブレインストーミングでは結果を出す必要はありません(ブレインストーミング後のまとめ方については後述)。しかし何についてのブレインストーミングなのか?ははっきりしておく必要があります。最終的に必要とされる問題解決への糸口となる目的である必要があります。
進行役:ブレインストーミングは10人以下程度の少人数で行うことが推奨されています。またブレインストーミングを進めるにあたりルールがあります。ルールを守りながら進行するために進行役(ファシリテーター)を決めます。進行役は目的とするキーワードを中心にブレインストーミングを進めていくのですが、会話のなかだるみ対策として目的に関連するキーワードをいくつか用意しておくと良いと思います。
書記:次々と出てくるアイデアはその後まとめるために必要な言葉の宝庫です。アイデアを書き留める係を決めておきましょう。
参加者:参加者は立場や年齢、役割の異なるメンバーで構成されている方がより多様性ある意見が交わせます。
用意するもの:人数や規模にもよりますがホワイトボード、模造紙などを使い直接または付箋を用いて行います。小規模であればホワイトボードに直書きでも良いですがそれ以上にアイデアが生まれた時の事を考えると付箋を利用したほうが良いでしょう。
時間を決めておく:のちに詳細をお話しますが、ブレインストーミングでは発言の量に重きをおきます。それゆえ気づけばあっという間に時間が経ってしまうことがあるので

ブレインストーミングをやってみる
始めにルールから。ブレインストーミングを効果的に行うために4つの原則を設けています。
- 発言されたアイデアへの批判をしない:意見の批判はナシ!実現不可能であろうが、奇抜すぎる発言だろうがOK!批判があると良いアイディアが出にくくなります⇒なにより楽しむ!ルールで決めていてもアホだと思われないだろうか?と不安になりがちです。ここは進行役の腕の見せ所です!
- 質より量:これはアイデアとしてふさわしくないのでは?などと考えずとにかく思いついたら発言!正解を求めようとせず各々が思いつくことはそれぞれの経験に基づくもの。それだけでも十分なアイデアです!笑われたアイデアが後に大発見になるかも!?
- 判断や結論を出さない:目的をもってブレインストーミングを行っていますが、結論を出すのはブレインストーミングを終えてからでOKです!この段階ではとにかくアイデアを豊富に集めていく作業なので道半ばで判断や結論を出す必要はありません。
- 連想と結合、改善:他人の意見から新たな思いつきやそれに連想させたアイデアの発掘。AさんとBさんのアイデアから新しいアイデア。Cさんのアイデアに+αしてブラッシュアップしたアイデア。などなど人の意見からの連想、意見同士の結合、意見に対しての改善をした意見を発するようにする。
以上の4つのルールを守りながらするめられるように進行係(ファシリテーター)は注力しましょう。
- ブレインストーミングの開始
- いきなり皆さん〇〇(←目的)についてしゃべってくださ~~い!といっても芸人でもあるまいし難しいと思います。はじめに進行係が〇〇について私はこう思っています。こんなこともやってみたらどうかな?こういうことがプラスに働くと思っています。皆さんはこのアイデアに対してどう考えますか?などと問いかけ始めると良いスタートを切れるのではないでしょうか?先にも書いた通り途中の会話の中だるみ用にいくつか投げかけ用のキーワードをストックしておくと良いです。
いざ開始をしても日本人は自由に意見を出し合うことが苦手なように思います。自主的に挙手をして意見を言うことに慣れていないか謙虚な教育を受けていることが多いです。それゆえなかなか意見が出にくいことがしばしばおきます。これを回避するため、自分の順番がまわってきたら否応なく何か発言せざるをえない、というちょっと強制感のあるやり方を試してみましょう。
- 右回りでも左回りでもOKです。発言の順番がまわってきたら必ず何か言わなければいかない!というルールにします。「特にありません」「同意見です」はダメ、禁止です!
- 1回の順番でいくつアイデアを発言してもOK。参加者は自分用のメモを用意して自分の番がまわってきたらアイデアを出せるように準備!
- 発言は簡潔に!書記はタイトル+1行程度で付箋にまとめる。付箋には発言者名・日付・内容を記載。客観的ではなく発言者の気持ちや意見であること(書記係の言葉にならないように注意)。
- 発言は最低3回まわってくるまで。
途中でアイデアが枯渇し始めたら・・・
既出のアイデアに対してみんなはどのように考えるか?発言者はなぜ?そのように考えたか?など既にでているアイデアの裏付けや意見に対する意見を重ねたりする。批判はルール上NGだけど反対意見はOK。
ここまででブレインストーミングはおしまい。ただ、ここで終わってしまってはただおしゃべりしただけのようなもの。この出てきた意見を目的に向かって整理整頓し目的の問題解決に向けて進めていきます。
ブレインストーミング後の整理方法にについて次の記事で紹介します。