従業員の教育はどのように行う?
会社が求めている方向に従業員に働いてもらうために必要なことは・・・?
一緒に働くスタッフが経営者が求める方向とは違った意見を持っていたら思うようなクリニック・薬局を作っていく事はできません。
医療関係の仕事は規模の大小はあっても専門分野という意味ではほとんど行わなければいけない事は変わりません(病院⇒クリニック、科目の違いは別)。それゆえ個々人がこれまで培ってきた経験を元に正しい・正しくない、良い・悪いを判断して働きます。人それぞれ異なる基準を持っているという意味です。
一つの組織として活動する際、従業員の向かう方向が一致していなければ効率的な活動はできません。
従業員の教育をする前に採用の時点で経営者が求めている方向にあった人材を獲得できているか?もしくは自社が求める方向をしっかりと説明し入職するからにはこの方向で働いてほしい旨を伝えているか?
採用する際にその点はしっかりと考えておくべきこととして別の記事で紹介していますので併せて参考にしてください。
この別記事で紹介した通り採用する際にしっかりと自社についての軸を説明し、入職者に納得して入社してもらうことは大切な事ですが、これを守って入社したからと言って「じゃ、あとはよろしくね!」と現場に放置してしまってはせっかくの採用も台無しです。
仕事を始めて数か月は何となく頭の片隅に残っていたとしても人は怠ける方向に行動する癖があるのでその後の指示もなく承認もなければ徐々に自分のやりたい方向(楽な方)に行動していってしまいます。
クリニックや薬局での仕事はおおかた仕事内容は同じであることが多いので各々の店舗にあったオペレーションを覚える事が新しい入職者にとっての最初のハードルでありそこさえ慣れればいつも通りの仕事ができるようになります。新しい職場では置いてある場所、同線、人間関係などすべてが新しいわけで目の前の仕事をこなす事に意識が集中していますからこの間暫くはなんの不満もなく働いています。
これが少し仕事に慣れはじめたころ、不満に意識が向き始め、職場の今後について考えるようになってきます。
「前年より売り上げが上がっているけれど給料あがらないのかなぁ~?」
「社長は新しい店舗増やすといっているけれど私たちはどうなるの?」
「ここ数か月頑張ったけれど特にこれからも変わらなそうだから適当でいっか!?」
このような考え、不満を持つ従業員ばかりでは到底経営者が思う運営をすることは不可能です。もちろんこのような従業員ばかりではないです。何もしなくても自ら率先して組織のために働いてくれる人もたくさんいます。しかしそれはたまたま良い人だったというだけですよ~という風に考えましょう。
グダグダな職場の雰囲気を作ってしまうとそこにいる誰もが簡単にその雰囲気にのまれて流されてしまう。より楽な方向に変わることはなおのこと。だらけた職場環境ではミスも多くなり時には重大な事故につながることもあります。ここで感情的に経営者という強い立場から納得のいかないおしつけの指示では逆効果になることは当然です。
だから、経営者は採用する時点から採用後も引き続き「うちのクリニック・薬局はこういうことをやっていきたいんだ!」ということを明確にしておかなければいけないのです。そして、明確にするだけでなくしっかりとその意図を説明し従業員に理解してもらうことが必要です。
従業員の教育と聞くとなんだか研修会を開いてワークショップをやって・・・といったおおごとのように考えてしまいますが、この経営者がやりたいことをきちんと従業員に伝えて理解してもらう方法は日ごろの会話、メッセージを職場内に貼る、こまめに面談の機会を持つなどで良いのです。とにかく忘れないようにしてもらうことこそが第一の教育です。
会社がどのような方向で運営していくのか?それに向かって何をしていくのか?それを決めるのが経営者の役割です。その方向性をしっかりと従業員に伝え大きな力としてまとまった組織として動くことで組織全体の雰囲気が良くなり、患者への印象もあがり、良いサービスとなって大きな利益を上げることが出来ます。
これは小さな組織だからこそ小さなパワーで行えることです。簡単に言えば『決めて』『しゃべれば』良いだけです!