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患者が求める価値を提供せよ!

医療は全くのサービス業ではないので一般的なセールスやマーケティングと同じに考える事には少し無理がありますが、サービス業の一部は担っており人間の感情の部分をベースに考えるならば根底ではとても参考になると思っています。

 

タイトルにあるように患者が求めているものを提供するという言葉だけ聞くと医療の本来の性質からは遠ざかっているように聞こえます。患者は何かしらの疾患でもって受診をし診断されて治療する、その後のアドバイスをもらうという流れだからです。

 

しかしこの意味を分解すると(疾患による)苦しみから逃れたい、不安から解き放たれたいというニーズがあって受診します。そのニーズに対して

 

Aクリニック『診断したからあとは薬を飲んでおいて』で終わるのか

Bクリニック『〇〇さんの痛みはこれが原因だったの。治すためにこの薬を1週間は飲んでみてもう一度経過を診させてください』という説明をするのかは患者にとっては大きな違いです。

 

クリニック

 

Bクリニックの例では原因がわかった=不安からの解放、薬を飲む=治療法があることへの安心とその薬が自分の体に何をしてくれるものなのかへの理解、もう一度診察=症状の経過を気にかけてくれていることへの信頼感が患者に伝わっています。

 

一般的な商売ではものを売る際に何をセールスポイントにするのか?を考えます。商品であれば競合同類と比較しての価格であったり使いやすさであったりします。サービスの面では注文の翌日に届く、梱包がしっかりしている、多くの決済方法があるなどです。

 

昨今、クレジット決済に関してはクレジットカードによるポイント還元が問題視されましたが現在のところ問題なく利用できているので決済方法の多様化は医療においても一つのサービスとなり得ます。

 

医療におけるセールスポイントは何でしょうか?競合との比較、強みと言う意味では一番患者にとってわかりやすいのは立地でしょうか。これは変える事ができないですし開業時の調査にてクリアされていることがほとんどでしょう。やはり体調がすぐれない時に近い場所に受診できるのは利用者にとってはありがたい事です。

 

競合に対して強みはどこにあるのか?どのような価値に対してセールスポイントとするのか?患者さんが選ぶとしたらA・Bどちらのクリニックにかかったほうが安心できるか?ではないでしょうか。これは治療の技術や専門的な知識ではなく接遇力です。医療と言えども開業すればビジネスの側面は必ずあり知識や技術だけでなくいかに患者さんからの信頼を得られるかの能力が必要になってきます。

 

医療は小さな努力の積み重ね

医療での報酬は点数により加算されていきますが、この一人一人小さな点数の積み重ねによって経営が成り立っています。検査・診断・治療に必要な行為を行った場合は細かくチェックしていかなければなりません。きちんと治療をおこなっているのに付け忘れ続けている点数があれば大変な損失です。

 

同じように患者さんと接して信頼を得るためには継続が必要です。いつの日もどのような疾患で受診されても患者さんが安心して帰っていけるような対応を続けなければいけません。そしてその継続は強力な差別化に繋がります。

 

接遇力による差別化は診察室の中だけでなく受付~待合室にまで広げることでクリニック全体の強みへと変化します。強みである部分により力を注ぎ人材を育成していけば少ない経営資源にテコを働かせて大きく作用させることが出来るのです。

 

安心して頼ってもらえるクリニックというのは国が求めているかかりつけ医に他なりません。

 

科目が違うのにとりあえず先生に相談してから・・・ってきてくれるようになったら嬉しいですね。