人が辞めるのには必ず理由がある!
若者が「辞める会社」「辞めない会社」の致命的差ー東洋経済オンラインー
今回は東洋経済オンラインから引用の記事を紹介します。全文は下記リンク先よりご参照ください。
他の記事でも紹介しており、かつ実際にどこの組織でも問題になっている採用難ですが、特に若者の採用に関してはその人数が絶対的に少ないことが要因の一つになっていることは事実です。そこでいかにして若者を採用するか?の探求も必要ですが一方で既に獲得した従業員をいかに定着させるか?についても採用以上に重要な事項になってくると記事では主張しています。
多くの中小病院・薬局にて退職が繰り返され、その都度新たな採用活動をしなければなりません。人が辞めていくからには何らかの理由があります。辞めていく際、ホントの理由を会社に伝える場合もありますが”適当な理由”をつけて辞めていく場合も多々あり退職の原因を明確に知ることが出来ていないケースがほとんどではないでしょうか?
従業員同士の話などから何となくこんな理由で辞めたんだろうな?ということはつかめているかも知れません。運よくその情報を聞き出せていたとして、今後の採用にその情報を活用できているでしょうか?
記事によると退職は会社側として
「避けられないもの」:親の介護、配偶者の転勤etc…
と
「避けられるもの」:←会社が考えるべき理由!
に分かれ、この【避けられたであろうが退職されてしまった理由】には3つの原因があるとしています。
会社が対策をとることで避けることが出来たであろう離職
「入社ストレスの問題」
新しい環境というだけでもストレスがありますがもう一つ、現実に直面した際に理想化したイメージとの乖離がストレスになるとのこと。記事から引用します。
人は大きな決断をしたとき、選んだのは「よい選択肢」だと思いたくなるものです。そして、入社する会社についての情報は、よいものは取り入れ、悪いものはスルーして、理想化してしまいがちです。そのために新入社員は、ありのままの現実に接するだけでギャップが生じてしまい、モチベーションが下がるわけです。
これは転職でも同じことが言えると思います。面接の際に自らの組織を良く見せようとして現実とは違う情報を与えていた場合にはより一層このギャップは大きくなり注意が必要です。
「人間関係の問題」
小さなコミュニティーであるクリニックや薬局ではこの問題がとても大きいのではないでしょうか?面接だけでは性格まではわかりえないでしょうし、様々な性格の人が狭い空間で一緒に働かなければならないので必ずと言ってもよいほど起きうる問題と思います。記事本文でも
「真の退職理由ランキング」などをみても、退職理由は「人と合わない」ことが半分以上を占めていることが多い。
とあります。その後に続く「人は会社を去るのではない。嫌な上司の下を去るのだ」がとても印象的でした。
このような人間関係の問題を解消するにはどうしたらよいでしょうか?対象が人間なので100%解決できる仕組みはないと思いますが上司が常日ごろから状況の把握をしトラブルが小さいうちに芽を摘んでしまう。起きた現状について現場での理解を得る。などのマネージメントという仕事をきちんと行う事が大きな抑止力になります。
一方、組織としてしっかりとしたルールを決めておくことも有効だと思います。病院や薬局での人間関係のトラブルの中には「前の職場の常識」が原因になることも多いのではないでしょうか?人はそれぞれ自分が経験してきた事が常識かのように定着しており考え方を変える事はとても労力がいるので脳みそはやりたがらないものです。
入職時、入職後の研修・教育の過程で”うちはこういうルールで動いています!”と明確に伝えておくことで働く側の心の準備ができます。さらにルールに従って働いてもらった事を称賛する、ルールを破った時には降格する制度があれば支払うべき従業員に支払い、そうでない従業員への給料は抑えることが出来ます。さらにルールがあったのに破ったという実績があるので労使問題に繋がる可能性が低くなります。
「キャリア観の問題」
従業員のキャリア観が職場と一致しているか?という問題。先のトラブルの話にもありましたがキャリア観についても同様に人それぞれ。経営者としては従業員のキャリア意識を高める=辛い仕事をさせるというイメージがあったりしてどうしても遠慮しがちですが記事ではキャリア意識は高めたほうが離職意向度が下がると伝えています。
ここでもやはり大切なのは、ここのキャリア意識はどの程度なのか?上司が把握し計画をしていく事。ただ、日々忙しい業務で教育やセミナーなんかやってられない!のが現状と思います。実際にキャリア計画なるものを作らなくともどのような考えで日々働いているのか?その都度立てた目標に対して上司が理解してあげる事だけでも十分なのではないでしょうか?人事評価制度の作業の中で面談の機会が多ければそこで話を聞くだけでも大きな離職抑制効果があります。
まとめ
記事のまとめとして人が辞めない会社は「人を大切にする」と伝えています。これは弊社AAAメディカルが掲げるホスピタリティにも通じ強く共感しました。労働は単に毎日通って働くだけの場所ではなく従業員の人生の一部を共有するのですからお互いの立場を理解することが必要と思います。