COLUMN

コラム

2023.02.10

「部下を管理」が間違っている理由

チーム・組織作り

部下管理

組織の大小にかかわらず上司と部下という関係は必ずあります。

  

大きな組織ではチームリーダーやエリアマネージャーなどセクション分けされたリーダーを置くことによって従業員をまとめているところがほとんどでしょう。

  

 

小さな組織の集まりであることが多い薬局では各店舗に必ず管理薬剤師として薬局の管理者を置いていますが、そのすべての管理者が部下の教育・マネジメントまで行っているわけではありません。人事的なマネジメントはエリアマネージャーなど別のポジションの方がまとめているケースもあります。

 

  

管理者というからには現場で働く人たちを管理しなければならないのですが、管理者を育成するための研修などを受けていない場合、正直なんの経験もなくいきなり部下を管理するというのは無理があると思います。

  

そこで起きる間違えが「部下を管理」してしまう事です。

  

 

本来、仕事上で管理者が行うべき管理は部下ではなく部下の「仕事」です。部下そのものの一挙手一投足を管理するのではなくあくまで「仕事の進捗状況」を管理する必要があるのです。

*もちろん人間関係や体調管理などもありますがここでは仕事に的を絞ります。

  

 

なぜ?部下そのものを管理するとよくないのか?

部下そのものを管理しようと試みると判断の基準として管理者自身の考えと一致しない、自分の思い通りに動かないという事が気に入らなくなってきてしまい、ことあるごとに口をはさみ説教するようになってしまうのです。

  

当然この部下はこんな管理者のもとで働きたくない!といった不満がたまり仕事効率の低下、最悪は離職に繋がってしまいます。単に職場での上司との相性といわれている原因の一つでもあります。

  

  

もう一点部下そのものを管理することのデメリットとして部下の成長を妨げてしまうことが挙げられます。

  

 

少し機転の利いた部下がいたとしましょう。上司の機嫌を損なわないように仕事さえしていればそれでよいと考え、自分で考えることもしなくなり思考停止で作業だけする部下になってしまいます。

  

 

こうなると部下は言われたことだけ、管理者の機嫌を損なわないための仕事をしていくことから、一向に管理者の仕事は減ることがなく部下が増えれば増えるほど管理者の仕事も増えてしまい、イライラした結果また説教をして信用を失っていくという負のスパイラルが起きてきます。

  

逆にまったく部下への関心がない管理者もいます。悪く言えば放ったらかし状態。この場合、部下の性格などにもよりますがそれぞれが各々の判断で仕事をするのでまとまるものもまとまらず、ただその日の作業を終えてなんとなく一日が過ぎているだけになってしまっています。

  

 

管理者というのはチームのリーダーであり、時には困っていることの相談にのったり解決策のアドバイスを与えたりというのが理想ではあります。日常のルーティーン業務に加え+アルファで管理をまかされているから他の人よりも高いお給料がもらえているのではないでしょうか?(ここに不満をかかえる管理者も多くいますが)

  

 

この+アルファの部分が他の従業員からも認められ、会社からも認められなければ対価としてのお給料に誰も納得できなくなってしまいます。

  

 

部下が成長するためには組織で決めたルールの範囲内で仕事を任せ部下が自分たちの力でその仕事を完遂できるようになれば組織全体としての効率は良くなります。

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