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コラム

2023.02.14

薬局における経営の三要素『ヒト』『モノ』『カネ』順番には意味がある!?

チーム・組織作り

ヒトモノカネ

組織を運営する上で大切な要素として【経営の三要素】なるものが有名です。いつから言われるようになったのかわかりませんが、かなり古くから長いあいだ経営者の常識として言われ続けています。

 

時代の成長・変化と共に昨今ではこの三要素に加え『情報』『時間』『ブランド力』の要素も大切だと言われています。

 

 

経営の三要素についてお話するにあたり考え方や捉え方の違いにより意見の相違があるのではじめに前提として”経営を維持・管理し成長させていく上で”という意味で『ヒト』『モノ』『カネ』のお話をします。

 

 

『ヒト』『モノ』『カネ』、なぜ?この順番なのか。これは前提条件として書いた経営を維持・管理・成長させるという意味で大事な順番に並んでいます。具体的に言い換えればキャッシュフローを生み出すために大切にしなければいけない順であり、実際にキャッシュフローを生み出す順でもあります。

 

 

AIをはじめとした情報技術の発展に伴い三要素に『情報』が含まれれていますが全ての仕事が完全にロボ化するまでは『ヒト』が仕事を作りお金を生み出しています。

 

 

医療業界においてもすさまじい勢いで機器が発達しており、電子薬歴、自動分包機、IT技術を利用した電子化が進んでいます。しかしその多くが今のところ我々ヒトが仕事をする上でのサポートの役割を占める役割が多いと思います。

 

 

経営者自身も含め共に働く従業員によって売り上げは作られています。過度に表現すれば従業員の態度ひとつで今後の売上を左右する場合もあります。評判がネットで自由に書き込まれる時代になりこのことは経営を続けるうえでのキーワードにもなっています。売り上げに対する経費を下げるためにもヒトによる努力が必要です。

 

 

また、少し広い意味で考えれば協力業者など自らの事業に関係するヒトも経営資源としては大切なのではないでしょうか?無下に扱うことにより関係が悪化してしまっては潤滑な運営ができません。

 

 

このようにヒトは組織運営に必要不可欠な最重要資源でありヒトを大切にすることが大原則といっても過言ではないのではないでしょうか?

 

 

事業を営む場所、我々の仕事をサポートしてくれる機器類、医薬品等『モノ』もお金を生みます。機器類を使う人の時間を削減したり労力を減らしたりすることで業務効率があがります。感染症の診断キットや薬の分包機などはそのもの自体を使用できることによって点数をつけられるというようにキャッシュフローに貢献しています。

 

 

モノは一度投資するとありがたみを忘れがちですが、機器類だけでなく机や椅子、ちょっとした小物からトイレなどの設備まで様々なモノがあって運営を続けられています。そして大きなものに関しては減価償却しながら経理上の数値に反映されていますのでしっかりと管理しながらお金を守っていかなければなりません。

 

 

『カネ』:手元に入ってきた現金を減らないように管理していく事はとても大切な事ですが、現金をそのままおいておいてもキャッシュフローは生まれません。銀行に預けたところでの利子は他の要素と比較すれば微々たるものです。

 

 

このように『ヒト』『モノ』『カネ』の並び順はキャッシュフローを生み出す順として組織運営を維持・管理し成長していくために必要な順番なのです。

 

 

時代の変化に伴って加えられた『情報』『時間』『ブランド力』についても少しお話をします。

 

 

『情報』:一言に情報と言っても新しい設備に対して、医療関係法規に対して、雇用・労働に関する法律に対して。。。と多岐にわたるのでひとくくりでお話するのは無理があります。

 

 

医療業界で重要視される情報は医療・治療に関わるものですが、どのレベルでその情報を使用していくのか?判断が難しいところです。事業の運営という意味では次にお話する時間の効率を上げるための設備やブランド構築していくための情報が生産効率を上げていくためには重要な情報になります。

 

 

『時間』:時間についても情報と同じで何を起点に考えるかによって異なります。店舗展開までの時間、負債回収時間、営業時間、患者対応時間etc…こちらも事業運営という意味では従業員の時間当たりの生産性であったり患者対応時間の設定などが重要となります。

 

 

責任感がなく、やる気のない従業員の生産効率はとても悪いです。下手すると周りの人の時間まで奪ってしまうほどです。限りある就業時間でいかに適切に働いてもらうか?が組織の成長に大きな影響を及ぼします。モチベーションを保たせ組織に定着し成果が上がるようにしていかなければなりません。

 

 

『ブランド力』:小さな組織だとあまり意識されない事が多いですが、これからの医療関係事業ではとても重要なポジションにあると思っています。ブランドという言葉を聞くと大げさに聞こえますが、自社につかっている「ロゴ」、施設の「名称」もブランドです。何らかの思い、意味を込めて作られていませんか?

 

 

『ブランド力』という言葉は『信用力』という言葉に置き換えられます。なぜあなたの施設を使うのか?ということです。

 

 

どの施設にも共通する理由であれば
「近所だから」
「いつも行ってるから」
「対応が良いから」
「施設がきれいだから」
「評判(口コミ)が良いから」
「ここでしかできないから」
「この先生に対応してもらいたいから」

これらすべてがブランド力です

 

 

開業する際、受診層、人口、年齢層などの商圏調査を行い商圏にあるという意味で「近所だから」を優先すると思います。これはベースになります。開業後の運営ではその他のキーワードが重要になってきます。しかもこれからオンライン診療、かかりつけなど国の方針がこのブランド力ある医療機関を目指す方向になってきています。

 

 

本当の意味で医療に関しての地域住民の心のよりどころになることが長期目線で安定した経営を行っていけるのだと思います。

 

 

ブランドを作り上げる、情報を利用する、お金を管理する、施設・機器を利用する、すべてがヒトによって行われています。この源泉なる部分のマネージメントが組織全体を構築しているという意識を強く持つ必要があると思います。

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