COLUMN

コラム

2022.06.24

人手が足りないから“とりあえず”で、採用していませんか!?

チーム・組織作り

とりあえず採用

人材採用の基準とは・・・

人材採用が必要な時は緊急であることも多々あります。

基準なんて言われてもとにかくすぐに作業をしてくれる人なら!という気持ちは採用する側としては内心誰もが思っていることでしょう。

もちろん医療機関では免許が必要なことがほとんどなので免許があることを条件にするのは当然です。しかし、今後の組織の運営を考えたら当然である条件を満たしたうえで“どのような人材”を採用するのか?を考えなければなりません。

今すぐ来てほしいので基準だの何だの贅沢は言っていられない状況も十分理解できますが現場にいる既存スタッフとの相性や仕事配分などを考慮し少しでも長く現場に従事してもらえるようにしたいものです。

面接の準備

面接をする際、どんな経験があったか?どのような人柄か?を見ている人は多いですが、面接に至る前までに以下について考えていないことが多いです。

・(面接に来た人を採用する前提で)“なぜ”その人を採用をするのか?
・その人に現場でどのような仕事をしてもらいたいか?
・採用後どのようなスケジュールで現場になじんでもらうか?

この3つを意識するだけでも採用後の現場スタッフとの調和、日常業務への軌道に乗るための時間短縮に良い影響を与えます。

人材の入れ替わりが激しい組織では一人いなくなったから一人足そうといった考えになりやすく、もはや人材を組織を運営するコマとしか見ていない状況ができてしまします。

自身がそのような扱いを受けたときにその組織に対して一生懸命働こうと思うか?を考えれば理解できるのですが緊急事態にそこまで考えが至らないことも多々あります。

しかし、このとりあえず採用をやってしまうと結局現場での不調和や従業員の希望とのズレ、話が違うなどといったトラブルが起きやすくなり離職→採用活動という悪循環になってしまいます。

旅行に行こうと考えたとき「とりあえず電車に乗ろう!」という人はいません。どこに行くのかが先にあり、どのルートでいけば時間と金額のバランスがと考えるはずです。

採用活動にもこの旅程が必要で、それが採用基準になるのです。

採用基準などというとかしこまった書類のように感じますが、現場のオペレーションをイメージした人物像を文字にしておく程度で良いと思います。

既存スタッフが新しいスタッフを向かい入れ、ともに働いていくことについて全員が分かるような言葉にしておくのです。

少なくとも下記のような順で採用基準を作っておいてはいかがでしょうか?

採用基準の作り方

採用の目的を明確にする

今必要としている人材がどのようなポジションなのか?管理者としてなのか、数年後にリーダーになってくれるような人なのか、隙間時間を助けてくれるパートさんなのか?など。

贅沢を言っていられないことは前提としてありますが、その中でも組織にとって必要なポジション・能力を決めておくと面接時に確認しておきたい事項が絞られてきて採用後のトラブル防止に役立ちます。

人物像を決める

次にターゲットとする人物像をイメージします。

例えば

独立希望でいろいろな仕事を積極的に行い数年後には旅立ってしまうかも知れない(組織にとってはリスク)が今の現場を先導していってくれるような人材を希望するか?

多くの事を望まないが安定して日々の業務をこなしてくれればよい人材を希望するのか?

近所に住んでいていざというときに駆けつけてくれるような人材を希望するのか?

といった具合です。もちろんすべてが希望どおりに行くことはありませんが、組織側の基準として持っていることで求職者とのすれ違いを防止することができます。

採用時期

急に退職を申し出てこられた場合は計画を立てづらいですが、既存スタッフとの話し合いの場を密に持つことで一定期間既存スタッフに負荷がかかりますがしっかりとした採用活動をするために理解を得てもらい時間の猶予を作りましょう。

採用側の既存スタッフとの普段からのかかわり方によりますが、このような緊急事態での話し合いの場を持つことは現場を良く知ることができ、上層部の考えを伝える事もできるのでとても有効な時間です。

誰が面接をするのか?

大きな組織で研修体制もしっかりしている場合、人事部が採用し現場に入れても研修段階でしっかりと組織への理解が得られている場合が多く問題ないのですが、研修体制がないのに上層部が人材を決めて現場に送り込むときは注意が必要です。

薬局は小さなコミュニティーの集合体であることが多いのである程度既存スタッフ優先で考えても良いと思います。

経歴や能力も大切ですが既存の管理者・リーダー・担当者との相性の方が大切なこともあります。店舗内の独特なオペレーションの癖など現場に日々いるからこそ伝えられることもあります。

もちろん、経営上必要な給与・休暇など金銭面を含めた労働条件や将来の計画に対しての考えなど長期的な運営についてのすり合わせは経営陣が確認したいところと思います。

経営陣と既存スタッフであらかじめ話し合いの場を持ち「一緒に」採用活動をするのが理想です。組織としての一体感、結束力にもつながりますし採用後起きるかも知れないトラブルの解決にもこの経緯が一役買うことになります。

紹介会社を経由しての採用はとても費用がかかります。効率的な採用を目指し、既存スタッフが辞めない組織づくりをしていくと経営効率がグンとあがります。

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